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「歯列矯正すると痩せる」は本当? 〜ドクターに聞く歯列矯正〜

「歯列矯正の治療で痩せた」という声をきくことがあります。歯列矯正の結果よく噛めるようになれば、食事の量が減り、結果として痩せるかもしれません。実際のところはどうなのでしょうか。

そこで今回は、「歯列矯正で痩せるのか」「歯列矯正が全身におよぼす影響はあるのか」について、葛西モア矯正歯科の酒井院長に詳しく伺います。

よく噛める&間食断ちのダブル効果で、歯列矯正中に痩せる人は少なくない

―「歯列矯正治療で痩せた」という声があります。患者様からそのような話を聞いたことはありますか?

「歯列矯正の治療を始めたら痩せてきた」というお話は、実際のところ、よく聞きます。痩せる原因はいろいろあるとは思いますが、その1つは、かみ合わせが良くなりうまく咀嚼できるようになることです。

十分に咀嚼することで脳の満腹中枢が刺激されると、適量の食事で満腹感が得られます。歯並びが整っていないためしっかり咀嚼できない人は、満腹中枢が機能しづらいため食事量が多くなりがちです。そのような方が歯列矯正の結果よく噛めるようになれば、食事の量が減り痩せる可能性があります。
矯正でダイエットも叶う?_葛西モア

―そうなんですね。他にも痩せる原因はありますか?

歯列矯正で痩せると言われるもう1つの原因は、間食をしなくなることです。矯正中の間食がダメなわけではないのですが、実は、間食をするとその後の「歯磨き」が少し面倒なんです。

虫歯は歯列矯正の大敵ですから、治療を行っている期間は食べ物を口にした後、必ず歯磨きをしなければなりません。間食であっても同様です。

グミ1個、チョコレート1かけを口にするたびに歯を磨くのは、やはりちょっと手間ですよね。通常の歯磨きでも2分や3分はかかると思いますが、矯正装置がついている場合、より時間がかかります。そのため、歯列矯正を開始したことをきっかけに間食をしなくなる方が多いのです。

当院では「間食しないように」とお伝えすることはありませんし、私としては、食後に歯磨きさえしてもらえれば、いくら食べてもらっても構わないんですけど(笑)

歯列矯正中でも、食後に歯磨きしなくて済む食べ物

パソコンとお菓子・矯正中の間食_葛西モア

―矯正治療中、間食しても歯磨きしなくていい食べ物ってないんですか?

アメを少しだけ舐める、ジュースを少量飲む、という程度なら、食後に口をゆすぐ程度でも問題ありません

ですが、インビザラインを使用している方には装置をつけている間、糖分の入ったものは一切口にしないようお願いしています。ジュースもNGです。

―なぜインビザラインを装着している間は、ジュースすら飲んではいけないのですか?

飲んだジュースがマウスピースと歯のすき間に溜まってしまい、歯を「ジュース漬け」の状態にしてしまうからです。

ワイヤーで行う歯列矯正では、ジュースが口の中を通過してしまえば、歯が糖分にさらされ続けることはありません。さらに、唾液が歯の周囲を循環し、虫歯菌にとって有利な酸性に傾いた口の中を正常な状態に戻して、歯を守ってくます。

しかし、インビザラインをつけている場合はそうは行きません。歯とマウスピースの隙間にジュースが溜まったままになるうえ、唾液による自浄作用も働かないからです。

―なるほど、確かに少し面倒ですね。ゼロカロリーのコーラなら大丈夫ですか?

あまり望ましくはありません。ゼロカロリーのコーラに砂糖は入っていないのですが、コーラに含まれる「クエン酸」や「リン酸」は、長い時間歯に触れ続けると、歯を溶かす作用があります。インビザラインを装着したまま飲む場合は、お茶や水をおすすめします。
フルーツジュースはインビザラインでNG_葛西モア

―もし虫歯になってしまったら、歯列矯正の治療はどうなりますか?

虫歯ができた場合は虫歯の治療を優先します。そのため、虫歯治療の期間は歯列矯正の装置を一時的に外さなければなりません。

装置を外すことで治療の進みが遅くなり、治療期間もどんどん伸びていきます。それは、患者様にとっても私たちにとっても望むところではありません。虫歯にならないように歯磨きを毎食後行うことは、とても大切です。また、初期の虫歯なら治療も短く済みますので、矯正治療中に歯の痛みを感じたら、早めに歯科医師にご相談ください。

―虫歯治療のための矯正器具の取り外しは、費用がかかるのでしょうか?

別途費用が発生する可能性がありますので、クリニックにご確認ください。当院では、ワイヤー調整料金の中に含んでいるため追加費用はかかりません。

歯列矯正中、「痛すぎて食べられない」で痩せることはまずない

痛みのあまり食べられない

―歯列矯正が痛くて食事がとれずに痩せる、ということもありますか?

まずないと思いますね。食事ができないほど歯が痛いという患者様は、ほとんどいません。
強い痛みを感じるという方もごくまれにいますが、痛みはずっと続くわけではありません。ワイヤー調整を行った日から3~5日程度で治まることがほとんどですので、痛みが原因で痩せることは考えにくいと思います。

―本当ですか? 痛すぎて食事どころじゃない、って書いてあるのをネットで見たんですが。

痛みは個人の感覚によるところが大きいので、一概に「大丈夫」と言うべきでない部分もあります。ですが、少なくとも当院の患者様では、初めて装置をつけた時をのぞいて、薬を必要とするほどの痛みを訴えられることは非常にまれです。

歯並びの不正が大きい場合は、積極的に歯を移動させる治療も多いため、痛みを感じやすい傾向があります。また、施術方法によっても患者様の感じる痛みは変わります。矯正装置に通すワイヤーを細いものから順に使い、徐々に慣らしていけば、痛みが急激に出ることはありません。逆に、いきなり太いワイヤーを使用すれば、強い痛みを感じる可能性も高まります。

痛みに配慮した治療を行なっているクリニックで歯列矯正を受ければ、「食べられないほど痛い」というご心配は不要だと思います。

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―歯列矯正で本当に痩せられるとは意外でした。他に歯列矯正が体に良い影響をおよぼすことはありますか?

あるとは思いますが、これは、はっきりとお答えするのが難しい質問です。歯列矯正を行うことで体のバランスが整い、肩こりや頭痛などの不調が改善されると説明する歯科医師もいます。ただし、あくまでも「可能性」の話であり、科学的に証明されているわけではないからです。

―そうだったんですね。実際のところ、歯並びを整えることで、肩こりや頭痛は治りますか?

患者様によりけりだと思います。

歯並びや噛み合わせの不正があると、食事のとき、いつも同じ場所で噛むことでかみ合わせのバランスがますます悪くなります。それが顎や首の筋肉に負担をかけ、頭痛や肩こりといった症状としてあらわれる場合があるんです。歯並び・噛み合わせを整えるればそれらが改善されるというわけです。

歯列矯正の後、頭痛や肩こりがよくなった人は確かにいます。ですが、これらの症状はさまざまな要素が複雑にからみあっているため、明確に歯列矯正のおかげで症状が改善された、と断言するのが難しいのです。

―他にも改善が期待できるところはありますか?

確実に「歯列矯正のおかげで改善した」と言える部分としては、よく噛めるようになることで食べ物が消化・吸収しやすくなることです。出っ歯の患者様から「麺類が噛み切れるようになった」という嬉しい言葉をいただいたことがあります。実は、これは全身の健康という観点からもとても大きな変化です。

噛み切れないときは「丸呑み」状態だったと思いますが、噛まずに飲み込んでしまうと、胃腸に負担がかかり消化不良を起こしやすくなってしまうんです。歯列矯正で歯並びが整いきちんと噛めるようになることで、消化管への負担も少なくなり、体調が良くなります。

―歯列矯正には単に「口もとがきれいになる」以上の効果もあるんですね。

歯列矯正の結果、痩せる、肩こりや頭痛が治る、といったケースは確かにあります。ただし、歯列矯正の直接の目的はあくまでも「歯並び・噛み合わせを整えること」です。この点を理解したうえで治療にのぞんでいただくことが、思うような結果を手に入れるために大切だと思います。

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葛西モアの入り口
江戸川区にある葛西モア矯正歯科では、日本矯正歯科学会の認定医が診察をいたします。

「日本矯正歯科学会」公認の認定医がいる葛西モア矯正歯科

当医院は、東京メトロ東西線の葛西駅から徒歩0分と大変便利な立地です。葛西駅へは、西葛西駅・浦安駅からわずか2分。南行徳駅も12分以内に到着するので、市川市内からの通院にとても便利です。西船橋からも乗り換えなしで15分と通いやすいため、千葉方面からも多くの方にご利用いただいております。葛西・西葛西周辺で“大人の歯科矯正”と“審美歯科治療”をお探しなら江戸川区にある「葛西モア矯正歯科」へぜひお越しください。

この記事の監修医師

葛西モア矯正歯科 院長 酒井 優真

葛西モア矯正歯科 院長

酒井 優真

Yuma Sakai

  • 日本矯正歯科学会 認定医
  • インビザライン公式認定ドクター

日本全国の歯科医院で矯正治療に従事し、3,000人以上の治療を担当。2017年、葛西駅前に「葛西モア矯正歯科」を開院。

歯列矯正への心理的ハードルを下げるべく、「治療中の見た目」や「痛みの少なさ」に配慮した治療に力を入れている。


<3000症例以上の豊富な経験と高度な技術で、装置の見た目にもこだわる矯正治療を提供>

住所:〒134-0083 東京都江戸川区中葛西3-37-16 第二カネ長ビル5F
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